のんびり学習まるっと

大分市内でどんぐり倶楽部と英語の教室を開いています。

子どもの力を信じて待つ。

こんにちは。どんぐりせんせいです。

 

 

 今日は入塾して一か月経つ、ある女の子のことを書きます。

 

その子は毎回、本当に楽しそうに絵を描いてくれます。

「たいようさんと かみなりさんが かけっこをしました。」

「きょうは、もぐらのもぐもぐが かいものにいく日です。」

問題の最初の一文にでてくる設定を、のびのびと、楽しんで描いてくれます。

 

ただ、その先がなかなか絵に描けませんでした。

「たいようさんは 1にちに ちきゅうを 1しゅうしか できませんが かみなりさんは 1にちに ちきゅうを 6しゅうも まわることができます。 では、たいようさんが ちきゅうを 3しゅう したときに かみなりさんは ちきゅうを なんしゅう しているでしょう。」

 

一文ずつ読んで、じゃあここまで絵に描いてねと言っても、じーっと私の目を見つめる。

 

え?どういうこと?

 

そこから考えが進まず、思考が停止しているように見えていました。

 

始めたばかりなので、緊張もしています。

最初から解けない問題ばっかりだと、モチベーションも下がってしまうだろうと思うので、私も少し手助け。

それでなんとか絵に描けたり、描けなかったり。

 

そして入塾して4回目の先週。

そろそろリラックスしてきた雰囲気だったので、「今日からは彼女一人の力でやらせよう!」と心に決めていました。

 

その日の問題。

「みずいろのえのぐを 1ぽんつかうのに がようしを 6まいつかいます。きょうは みずいろのえのぐを 4ほんもつかっていいそうです。みずいろのえのぐを みんな つかってしまったとき、なんまいのがようしを つかうことに なるでしょうか。」

 

いつものように、最初の一文は楽しそうに描いてくれました。

二文目の絵を見せてくれた時は「これでいいのかな…」というような、不安そうな顔でした。

最後の一文を読み上げたとき、彼女の表情はまた、固まりました。

 

「ここはね。間違えていい教室なんだよ。ほかのみんなも、いっぱい間違えてきてる。だから間違ってていいから、こうかな、ああかな、って描きなおして自分の力で描いてごらん。せんせい、その考えた絵が見たい。正解の絵じゃなくていいからね。」

 

彼女はうなずいて席に戻りました。

周りには黙々と絵を描く友達がいます。

そして、彼女も自分の絵を見つめ、数えてみたり、問題を読み直してみたり…すると、

 

「あ!そういうことか!」

 

と呟き、描き始めました!

 

それがこちら。

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描けてるーーーーーー!!!!(T_T)

 

絵の具1本につき、6枚の画用紙が4セット。

 

ちゃんと、自分の力だけで考えて描けました。

 

「今まではここまでしか描けなかったけど、今日は自分の力だけで考えられたよ!すごい日だよ!今日は、〇ちゃんのどんぐりの歴史のなかで一歩進んだ日だよ!おめでとう!!!!」

 

私の迫力に引き気味だったかもしれません(笑)

 

 

彼女に教えられた気がするのです。

できないからって手助けしてたら、いつまでも自分ではできない。

手放すことも大事。

でも、できない、不安だ、というその子が持つ感情も大事にしたい。

 

大事なのは、大人がその子の力を信じて待つこと。

そして、子どもたちの失敗や間違いが、許される環境でなければならない。

失敗してもいいから。間違えていいから。自分の力でやるんだ。

 

どんぐりせんせいとしても、ひとりの親としても、大事なことを教えられた日でした。

 

 

ここは、だれも解き方を教えてくれない教室です。

自分の力で解く教室です。

失敗していい教室です。

間違えていい教室です。

子どもの力を信じる教室です。

 

こんな教室にご興味がございましたら、お気軽にご連絡ください^^

お読みいただき、ありがとうございました。