自分の答えを出す
こんにちは!
のんびり学習まるっとです。
先日、保護者さんに「先生はチャーミングですね」と言っていただきました。
その時悟ったのです。
これはグルメレポーターがおいしくはないものに出合ったときに「おもしろい味ですね」と言うような、
決してうまくはないが下手でもない、なんともいいようがない絵を見て「味のある絵ですね」と言うような、
気を遣わせてしまっている「アレ」だなと( ゚Д゚)
保護者さんに気を遣わせてるんじゃないよ?と自分を戒める日々です。
さーて!
先週ある通信添削の子の作品を見ていた時のこと。
2年生の女の子がこんな問題を解きました。
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「海と空の会話の中で どっちが 青いか話しました。海は 自分は信号機の青を6こつけたぶんくらい 青いと言いました。空は 自分は 海くんの青さの 半分の青さだねと 言いました。それでは ふたりの青さを合わせると どれくらいの 青さになると思いますか。」(原文ひらがな)
その子の描いた作品がこちら。
大人なら「海君の青さの半分だから6個の半分で3個分の青さだね」とすぐ理解できます。
でもこの問題はあえてはっきりと「空の青さは、信号機の6個分の半分です」とは書かれていないため、子どもたちはこの問題の意味をよく考えなければいけません。
だからこの問題を初めて解く子は色の濃淡で「半分だったらこれぐらいかなぁ」と表現する子が多く、この子もそう描いてくれています。
それを微笑ましく思っていたのですが、
「こういう問題にであったとき、自分なりに考えて、自分なりの答えを出そうとしてくれる子がどれほどいるのだろう」とふと考えました。
きっとこの問題も「え?どういうこと?意味わからんし。」そう言う子供も少なくはない気がします。
ちょうどその日の教室で小4の男の子がこんな問題を解きました。
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「友達10人でミニカード(レッドカードとホワイトカード)を買ったら7865枚も買うことが出来ました。このカードを同じ数になる様に10人で分けます。この時、一人ずつのカードが、半分はレッドカード、半分はホワイトカードになるようにするには、最初に最高で何枚、最低でも何枚のレッドカードを買っておく必要があるでしょう。」
私の教室では嫌がる子が多い(笑)レッドカード・ホワイトカード問題です。
その子は問題を聞きおもむろに7865÷10とひっ算を書きました。
7865枚のカードを10人に分けたときの一人当たりのカードの数をだそうと考えたのです。
でも、こう言いました。
「あー!俺この計算の仕方習ってないわー!」
どんぐりでは「習っていない」「分からない」は禁句です。
この言葉を言うと考えることをやめてしまうからです。
ただ、彼のこの「習っていない」発言には続きがあります。
「じゃあ7865枚を10個に分けていくしかないなー。数が多いなー。どうすればいいんやろー。じゃあまずは7865枚を二つに分けていくかー。レッドとホワイト半分ずつやからなぁ。」
(考えてること全て口にするタイプの彼。めっちゃしゃべる笑)
大人だとこういうことは簡単に思いつきます。
でも、小3~4ぐらいの割り算を知り始めたぐらいの子どもにとって、この「分ける」という作業は思いのほか難しいのです。
彼はそれからどんどん絵を描きました。
7865枚を2つに分けると3932枚ずつになり、1枚余ります。
そして3932枚のカードを10人に分けました。
ひっ算で解ければすぐに答えがでるものを、時間をかけて分けていきます。
3932枚を10人に分けると一人393枚になり、さらにまた2枚余ります。
じゃあこの問題文にある「最低でも、最高でも」の意味とは。
この余ったカードはどうすればいいのか、彼は1時間考えました。
「え?もう1時間経ったん?オレ、1時間もずっとこの問題考えてたん?」
あっという間の1時間。
習っていないものを、理解しがたいものを彼なりに一生懸命考えました。
どんぐり歴4年目の彼。
逞しくなったなぁ…と思います。
どんぐりは読解力・思考力を育む問題ではありますが、育んでいるのはそれだけではありません。
子ども達の逞しさ、忍耐力、自信…心を育てているなぁと感じます。
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「はぁ?意味わからん!」
なんでもかんでもこう言ってしまう子が多いことが最近気になります。
子どもだけでなく、それが口癖になっている大人も見かけます。
自分で考える前に、人の話を聞こうとも理解しようともせず、自分のシャッターを下ろしてしまうようなもったいない言葉だなぁと思います。
「正解のない時代だ」と言われますが、ネットを開けば「正解らしきもの」はたくさん出てきます。
自分で考えなくても、ネットで調べればすぐに答えが出ることも多いのです。
でも自分の人生は誰かが答えを導き出してくれるものではありません。
「正解のない時代」だからこそ、子ども達には「意味わからん!」とシャッターを下ろさず、自分の力で必死に考え、悩み、試行錯誤しながら自分なりの答えをだしてほしいなと願っています。
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